九州一周旅行をした翌年の春先、無性に海が見たくなって目的も無いまま横浜に行ったときのことだ。俺の親は転勤族だったため色んな町に住んだが、海が近くにあると何となく落ち着いた。そんなこともあって、実は今でも時々海を見るために車を走らせることがある。

随分と長い距離を歩いた。日も暮れて夕食を取ってるとき、ふとゲイバーに行ってみようと思った。そして以前雑誌広告を見てメモしておいた店を探した。わかりづらかったが何とか店に辿り着いて入る。まだ8時を回って直ぐだったので客は少なく常連さんなんだろう、ママさんと話をしていた。一人、二人と増えてきて、常連客の中に新顔一人なので色々と質問攻めにされて場は盛り上がった。そんな時、店に入ってきたのはスーツ姿のガッチリした親父さん。

俺はチラっと見て一瞬ドキッとした。でも、人違いだろう・・似てる人は沢山居るんだしと思った。でも、その親父さんも俺のことをチラチラ見てる。ゲイバーのママさんって、そういう客同士の視線の動きに敏感なようで、ママは親父さんに『ゴウちゃん、こっち来る?』と言って、親父さんを俺の隣の席に誘導した。

親父さんが俺の隣に来ると、『ひさしぶり』と小声で言う。俺のことを覚えてたんだ。もちろん俺も忘れることなんてできない。でも、あんな所で偶然に突然会うなんて想像もしてなかった。親父さんが俺の手をぎゅっと握る。カウンター席だから他の人からは見えない。そんな雰囲気を悟ったママさんは、

『ゴウちゃん、お気に入りみたいね。ほんと若い子に目が無いんだからぁ』と言って笑う。
『今日、東京から来てくれたのよ。30歳だって』
『でも見えないわよね。最初、学生さんかと思っちゃったわよ』

と、俺がママさんに話したことを次から次に暴露していく。。😅
そして、『まだ時間あるから、ゴウちゃん、他の店を案内してあげたら?』

俺は何も答えられず笑うのが精一杯だった。ああいう店で一緒に店を出ることは、互いに気が合いデキ上がったことを意味する。二丁目のバーに何度か行ったとき、ママさんがそう言ってたのを思いだしたのだ。ゲイバーのママさんって、ほんと人をくっつけたがる。でも、その時は、なんか嬉しくて有り難かったな。

『熊本だったよな。こんな所でバッタリ会えると思ってなかったよ』
『僕もです。ビックリしました』
『この後、どうする?』
『・・・・』
『じゃ、家に来て飲み直すか。明日は休みだし』
『いいんですか? ・・・・』
そうして俺はゴウさんの家に行くことになった。

ゴウさんに後ろからガッツリ抱かれると、熊本での夜が思い出された。ゴウさんは俺の服を一枚ずつ脱がし、自分も脱ぐ。互いにもう既に興奮していて、そのまま風呂場に移動してシャワーを浴びた。そして、我慢できなかった俺たちは、その場で合体した。シャワーを浴びながら、ピチャピチャとお湯がはねる音と、カラダとカラダがぶつかるバンバンという音。再開の喜びもあって嬉しくて気持ち良かった。

ゴウさんはバツイチで一人住まい。机の上に二人で映った写真があったので、俺は意地悪く『元彼ですか?』と聞くと、自分の子供だという。二十歳位だそうで、可愛いのなんのって・・。😁 家族の話をするとエロ気分がどこか行ってしまった。

ゴウさんがウィスキーを勧めてくれる。俺はゴウさんに後ろから優しく抱きかかえられながら、グラスにつがれたウィスキーを飲んだ。酔いが回ってきて段々と気持ち良くなる。ゴウさんが耳元に顔を付けて『寝ようか』と言い、俺の方にキスをした。

裸で抱き合う気持ちよさ、そして時々合体。熊本では俺がゴウさんの上に乗ってイッタけど、その時は終始ゴウさんに攻められた。意地悪く、なかなか俺をイカせてくれない。ゴウさんも、何度も挿入するのにイクほど激しく動くことは無い。そんなやりとりがしばらく続いて、最後は正常位でゴウさんに突かれながら、キスをしながらほぼ同時に果てた。

翌日は昼過ぎまでずっと一緒だったので、何度も重なり合った。そして、駅前で食事して駅まで送ってくれた。

電車で行けば直ぐに会える距離なのに、俺は何故か誰かと付き合うことに抵抗感があった。ゴウさんも、そう言えば、駅で別れるときに次に会う約束はしなかった。でも、もう家は知ってるから会いたくなればまた行けばいいと考えたように思う。ゴウさんとはその後3回会った。でも、4回目に家に行ったときはもうそこには居なかった。悪く言えば、所詮エッチするだけの仲だったのかもしれない。俺の性癖を見抜いてて、恋人にしたいと思わなかったんだろうな。。。😭

九州一周ハッテンの旅(6)


今回の一枚はこの子
幼さが残る顔とカラダって可愛い

Lan